新型コロナウイルス感染症の影響により、保護者の皆様には何かとご心配をおかけしていることと存じます。日頃より、本学の教育への取り組みにご理解・ご協力を賜り誠にありがとうございます。学生相談室は、これまでに本学から出ております「札幌学院大学行動指針」等を受けて、対応を考えております。
保護者の皆さまの中には、今後の学生生活について心配されている方もいらっしゃることと思います。学生の心身の健康を保つために本学でも様々な対応について検討しております。
学生には、学生生活について不明なこと、不安なことがある場合は、ゼミナール担当の教員等大学に問い合わせるようお伝えしています。また、本学には学生相談室が設けられており、学業、対人関係、課外活動、精神的問題など、さまざまな相談に応じています。今回のコロナウイルス感染症の感染拡大という非日常的かつストレスがかかる状況下では、落ち込み、不安、怒り、睡眠の問題や食生活の乱れなどの問題が生じることがあります。これらは自然な反応ではありますが、長く続くと心身の負担が大きくなります。学生相談室では、学生に向け、ストレスが強い状況下で生じやすい心身の反応や、そのようなストレスがかかる状況にどのように対処していけばよいのかについてお知らせするとともに、学生相談室の案内・周知も行っています。学生相談室は学生が抱えている悩みについてお話をお聞きする場ではありますが、娘さん息子さんのことで気になることがある保護者の皆さまからのご相談もお受けしております。
※ 現在、感染拡大防止のため、基本的に電話相談となっており、学生にも電話での相談をお願いしております。
新生活・新学期を迎えて
娘さん息子さんと一緒に暮らしている場合、話をしやすかったり、様子を確認しやすい場合が多いかもしれません。これまでと同じような生活を維持していくことが心身の健康保持の点でも大事になってきますので、普段通りの生活を心がけていただければと思います。一方、離れて暮らしている保護者の皆さまは、様子が見えにくく、不安になることもあることと思います。この4月から初めて一人暮らしを始めた娘さん息子さんを持つ保護者の皆さまは特に心配な部分も多いかもしれません。
本来、大学生という時期は新たな環境の中で、新たな人間関係を構築しながら、自律性を獲得し、自分の道を模索して進んでいく時期です。これまで、保護者の皆さまに相談していたことを友人や先輩に相談したり、自分で考え解決したりすることも増えてきます。それは保護者の皆さまにとって喜ばしいことである反面、寂しさを感じることでもあると思います。また、親と頻繁に連絡を取らなくなる、連絡をしても返事をしなくなる、などが起こることもあります。それは健全な成長過程で見られることではありますが、「連絡がないことは元気な証」と考え、そのままにしていると、本人に何かあったときに対応が遅れることにもつながります。また、今回のようなイレギュラーな状況下では、少しだけ気にかけることも必要かもしれません。
しかし、本人が望んでいない状況で頻繁に連絡すると、さらに距離が開いてしまうことも考えられます。難しいところではありますが、「あなたの生活の様子を少しだけ知れるとうれしい。安心する」、「たまに連絡が欲しい」、「何かあったときはすぐに頼ってほしい」などを伝えておくといいかもしれません。また、本人の状況を尋ねる内容だけではなく、「今日こんなものを見た」といった保護者の皆さまの近況や、ペットの写真を送るなど、さりげない内容を送りながら、一定の間隔で連絡を取るのも有用です。個々人によって違いがありますが、電話よりもLINEやメールなどを好む学生もいますので、返信しやすいツールについて聞いてみるのもいいかもしれません。
家族としての関わり
授業開始が延期になり、外出の自粛について求められる状況であるため、学生が家にいる時間が長くなることが予想されます。本人と話せる場合は、家にいながらできることについて少し話題に出してみたり、一緒に住まれている場合は、家事など、手伝ってもらえることをお願いしてみるのもよいかもしれません。時間を有意義に使えることはもちろん、誰かの役に立つことはうれしいことです。
また、本人が何か気になることがあると話してくれた場合や、いつもとは違う雰囲気を感じましたら、お声かけいただければと思います。誰かと話をするだけで気持ちが軽くなりますし、娘さん息子さん自身、自分がどのようなことを不安に思っているのかについて整理しやすくなります。
娘さん息子さんと話ができる場合、まずは話を聴いてみてください。その際、批判的な言動やこちらで判断するようなことは避け、まず、本人が何を気にしており、どのようなことを考えているのかをゆっくり聞いてみてください。うまく言葉で表現できないこともあるかと思いますが、ゆっくり聴くよ、という姿勢が伝わるだけでも安心するものです。何に困っているのか明らかになり、本人が問題解決のため保護者の皆さまのアドバイスやサポートを求めているときは、一緒に考えてあげてください。その際、現実はどうなのかはおいておき、いろいろな選択肢をたくさん出してみることをお勧めします。その後、現実を考えるとどうなのか、娘さん息子さんのやりたいこと、できそうなこと、という点から選択肢を絞っていくとよいでしょう。
必要に応じて学生相談室を進めていただくのも一つかと思います。また、どのように対応したらよいか迷うときや、学生相談室に行ってほしいと考えているものの、本人が学生相談室には行きたくない様子である場合などは、保護者の皆さまから学生相談室にご一報いただければと思います。
コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、保護者の皆さまの生活にもさまざまな変化が生じているのではないかと思います。どうぞ、保護者の皆さまも、いつも以上にリフレッシュできる時間を設け、心身の健康を保っていただければと思います。札幌学院大学でも学生が安心して学業に取り組めるよう環境を整えるとともに、心理的なケアも行っていきたいと考えております。また、保護者の皆さまにおかれましても、娘さん息子さんのことで何か気になることがあります場合は、お電話またはメールにてご連絡いただければと思います。
札幌学院大学(代表): 011-386-8111
学生相談室 (直通) : 011-387-1993