北海道教育委員会では2017年12月、「北海道における『求める教員像』」を3点に集約して発表しました。それらは、第1に[教職を担うに当たり必要となる素養に関連する観点]として、「教育者として、強い使命感・倫理観と、子どもへの深い教育的愛情を、常に持ち続ける教員」、第2に、[教育又は保育の専門性に関連する観点]として、「教育の専門家として、実践的指導力や専門性の向上に、主体的に取り組む教員」、第3に、[連携及び協働に関連する観点]として、「学校づくりを担う一員として、地域等とも連携・協働しながら、課題解決に取り組む教員」です。
札幌学院大学の教員養成の理念は、第1に、これらの観点を踏まえ、広く社会に貢献しうる教員を輩出すること、第2に、札幌学院大学の理念である、「自律」・「人権」・「共生」・「協働」を踏まえ、地域に開かれ、地域に学び、地域社会の教育課題に貢献しうる教員の輩出です。
本学は、この理念のもと、多様な資質を持った児童・生徒が未来に夢と希望を抱き、個性豊かに成長するような教育・指導・学級経営ができる教員の育成を目指し、次の事項を教育の目標に掲げます。
1.教育者としての強い使命感と子どもへの深い愛情を有する教員を育成する。
2.広く豊かな教養と深い専門的知識を踏まえた実践的な指導力を有し、研鑽を続ける教員を育成する。
3.「チーム学校」の一員として、地域社会や保護者と連携・協働しながら、課題解決に取り組むことができる教員を育成する。
札幌学院大学は、商業高等学校において経済活動の実践的担い手を養成するために教員の充実を必要としていた地域の切なる要請に応え、大学を設置してまもなく、昭和45年4月に商学部商学科に高等学校2級普通免許状(現1種免許状)商業の課程を開設しました。それから時を経て、社会は多様化と高度化が進み、その変化のスピードも著しいものがあります。しかし、教育界に有用な人材を輩出することをもって地域、社会の発展に貢献するといった使命は何ら色あせることはなく、まさにこの使命の遂行こそが本学の教職課程設置の趣旨といえます。もちろん、時代の進展に伴い、その変化に対応したカリキュラム等、不断に充実を図ることは言うまでもなく、特に教員養成にあっては、専門に偏ることなく、広く豊かな教養がその土台となるべきものです。その観点からは、現在、免許取得可能の3学部6学科において人文・法学・経済・経営の多領域において現代的課題に即したカリキュラムを展開する本学が、これらの資源を有機的に活用して教職課程を設置することは、「幅広い視野と高度の専門的知識・技能を兼ね備えた多様な人材を広く教育界に求める」とした『大学における教員養成の原則』に照らして意義のあるものと確信しています。