今回は人間科学科地域文化専攻の活動として「地域文化演習A」の授業(2年生ゼミ)を紹介します。
本授業の目的は、「地域文化専攻で学ぶ主な分野である考古学、歴史学、民俗学、言語学そして社会学について概要を学び、それぞれの分野での具体的な問題に討論や実技を交えながら触れる」ことを通して、3年生以降で専門的に学ぶ分野を決めることです。
私は考古学を専門としているので、「考古学とは何か」、「考古学に触れる」、「考古学研究最前線」というテーマでゼミ生と活動しました。ここでは、「考古学に触れる」の授業を取りあげます。
ご紹介する授業の教室は、大学ではなくて、大学の近隣に位置する北海道埋蔵文化財センターです。
北海道埋蔵文化財センターは、北海道の考古学的な調査研究を担う機関であり、展示を含めた教育普及事業を主に実施しています。今回は、展示室や、普段見ることのできない博物館の裏側であるバックヤード(資料収蔵庫)などを見学させていただきました。
展示室は、石器や土器などの考古資料がわかりやすく展示されており、実物のもつ魅力を実感する機会となりました。また、バックヤードでは、展示室には入りきらない圧倒的な量の資料を目にし、考古資料を将来に引き継ぐ収蔵・保管の大切さを学ぶことができたようです。
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展示見学風景1
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展示見学風景2
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展示見学風景3
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バックヤード
最後は、もちろん考古学はフィールド(現場)の学問なので、展示室を飛び出し、大学付近を散策。現在は公園として住宅地に残る縄文時代の谷底におりて、大学付近にある縄文時代の遺跡との関係を体感しました。
3回の短い授業時間ではありましたが、ゼミ生のみなさんが考古学を身近な存在に感じられたようで、3年生以降の学びを決めるための貴重な機会になりました。
※本記事掲載にかかわる授業は、4月末から5月上旬の緊急事態宣言発令前に実施されたものです。また、北海道埋蔵文化財センターの見学にあたっては、担当者の皆様の多大なご協力を得ることで実施することができました。厚くお礼申し上げます。
(大塚宜明)