2009年度の藤野ゼミ(発達心理学)では「『障碍』と発達心理学」をテーマに13名の仲間が学んでいます。前期は基本的文献を読み込み、保育・教育・社会的実践の中で発達と障害を捉えるための共通の土台を得ました。それを踏まえて、後期は3つのグループに分かれ、それぞれ札幌圏の保育園、幼稚園、高次脳機能障害就労支援施設にてフィールドワークを行っています。
10月下旬から12月上旬にかけての継続的な訪問をとおして、その現場で生活している子どもたちやメンバー・スタッフのみなさんとだんだん関わりを深めながら、そこで起こっている出来事の意味を掴もうとしてきました(「参与観察」という手法です)。毎回の訪問を終えたらフィールドノーツという記録を書きます。最初は何をどのように書いたらよいのか戸惑っていた人も、回を重ねるごとに、徐々に、多面的で生き生きとした記録や、観察視点が明確な探求的な記録を書けるようになっていったように思います。「見る・聞く・書く」という作業はとても根気が要りますが、その分、それをやりきった後に得られるものもまた大きいのではないでしょうか。
12月からはフィールドノーツをもとに報告書を作成しています。1月には仕上がった報告書をもって、お世話になった現場の皆さんのところへうかがい、御礼とフィードバックを行う予定です。さぁ、あとひとがんばり!