みなさんは上ノ国町をご存知ですか? 2月9日から11日まで、私たちは渡島半島の歴史遺産に富んだ上ノ国町を訪問し、貴重な文化財に触れ、町の方々と交流し、歴史と文化を生かす町の活性化について考えてきました。メンバーは臼杵、佐々木、澤井、児島ら教員4名と1年生を含む学生10名です。
北海道内では、人口減少や少子高齢化による地域の沈滞化が進んでいます。そこで、地域の資産を生かした新しいまちづくりによる活性化が課題となっています。上ノ国町は、北海道では希少な中世城下町からの歴史を持ち、豊富な文化遺産を有しています。また、それらの保存・活用の指針となる「歴史文化遺産基本構想」の策定に取り組んでいます。そして、特に若い世代からの意見を取り上げて、文化遺産をどのようにまちづくりに生かしていけるか検討するために、本学に協力要請があり、今回の研修ツアーが実施されました。
1日目、朝大学を出発し、到着後すぐに上ノ国町教育委員会の方から、上ノ国町歴史文化基本構想の説明など、セミナーがありました。ここで、私たちの今回の任務(!)の詳細が明らかになり、翌日の文化財見学への期待で興奮してきました。
セミナーの会場では遺跡からの発掘品も見せていただき、中世の陶磁器などの説明を受けながら手ざわりを感じることもできました。
いよいよ文化財見学ツアーの開始です。
観音堂内部、左側にあるのが150㎝を超える珍しい円空仏です。道指定有形文化財の十一面観音立像です。御簾でお顔が隠れていますが、前に座ると全貌を拝することができます。私たちも参拝し、その日観音講で集まっている女性たちにもお会いしました。高齢化で数人になったとはいえ今も続いていて、円空仏に対する信仰の強さにふれることができました。
こういうストーブを初めて見た、そんなことにも感動がありました。
国の指定史跡である勝山館跡のガイダンス施設で勉強。夷王山の中腹あります。窓から見える日本海の景色は素晴らしいものでした。
その後、国の重要文化財、上国寺本堂と笹浪家住宅を見学しました。
上ノ国町の歴史や文化を体感した後、町の歴史文化遺産基本構想策定委員会委員長の田才雅彦さんの司会で意見交換会が開催されました。学生・教員たち全員が、率直な提言と、活発な意見交換を行い任務達成。
夜は町長、副町長をはじめ教育委員会文化財グループのみなさん、水産商工課長、町づくり協力隊のみなさんなどとにぎやかな懇親会でおおいに盛り上がりました。
今後も、地域の活動に、大学として協力していきたいと考えています。お世話になった上ノ国町の方々、ありがとうございました。