雪の旭川でゼミ合宿
田代ゼミでは経済学を用いて、財政の諸課題について研究を行っています。道内の市町村では財政の健全化や住民のまちづくりを目指して色々な政策が実施されています。今回は旭川市の財政の動向を調査することを目的として、11月11日(土)から12日(日)の1泊2日で旭川市に合宿に行きました。当日は雪が降りましたが、参加した学生たちは有意義な日程を過ごすことができました。
旭川市は旭山動物園が有名であり毎年多くの観光客が訪れています。動物保護や命の大切さを伝えることを理念としています。旭川市は動物園事業に対して約18億円の財政支援を行っており、ふるさと納税による寄附も募っています。注1)
旭山動物園見学から財政活用について考える
11日(土)は旭山動物園に行き、さまざまな動物を見学しました。ペンギンやホッキョクグマなど、寒い地域に生息する動物もたくさんいました。北海道ではクマやエゾシカによる人的被害、農作物の被害が深刻であり、道内の多くの市町村が対策を考えています。動物の捕獲や駆除も行われていますが、動物にも命があります。これからは、人間と野生動物が正しい関係をもって共存する社会の構築が目指されていますが、それには多くの費用がかかるため市町村や政府による財政支援が必要不可欠です。
旭川市をはじめ、多くの市町村では財政に限りがあるため、自由に資金を使えるわけではありません。動物に対して何が本当に必要な政策なのか。どのように財政を活用すれば、住民の暮らしを守ることができるのか。これらを考える良い機会となりました。
2日目は地方税の研究
12日は地方税の研究を行いました。地方税は市町村の財政を支える重要な収入であり、道内の財政データを用いて地方税に影響を与える経済的な要因を分析しました。多くの市町村では少子高齢化が進んでおり、厳しい財政の再建や健全化に向けて政策を進めています。人口や所得、消費など、地方税に影響を与える要因は何か、またどのようにすれば市町村の税収を増やすことができるのか。それぞれのグループでオリジナルな考察を行いました。
グループワークで財政の資料の収集やエクセルの計算、パワーポイントを用いた資料の作成や分析結果の報告など、多くの作業に取り組む必要がありましたが、お互いにコミュニケーションをとりながら協力して分析を行うことができました。この研究を通して、市町村の財政の実態を把握し、効率的な政策を行うことの重要性を学ぶことができました。
さまざまな学びがあった2日間
【合宿に参加した学生の感想】
・合宿というイベントを通じて、普段コミュニケーションをとらない人との交流ができたことが良かったと思います。二日目もスライドを通じて地元の財政を知れたことが良かったです。
・長時間大人数で過ごすというのもあり、事前に予定や把握しておきスケジュールを組まなければならないという責任感を個人的にもグループ全体でも持つことができました。
・いつものゼミと違い、Excelの計算からパワポの作成まで間隔を空けずに作ったので効率が良かったと思います。
- 発行日: 2023.12.02
- 経済経営学部 経済学科