1年間かけてサケマス産業と地域の関連性を学ぶ
3年生の専門科目、「産業調査演習」は経済学科の目的である「経済学を中心に幅広く社会科学分野の知識を深め、国際的視野と地域的視点を持って現代経済を多角的に分析する能力を養い、その知識と分析能力を活用して地域や産業の発展に貢献する人間を育成する。」を象徴する科目です。
1年間かけて、サケ・マス産業を中心とした産業、地域の関連性を学びます。そして社会貢献意識、キャリア形成意識も養うことを目指します。
サケ産業を多角的な視点から学ぶ
今年度も13名の学生が、前期の千歳による事前調査をもとに、「日本一の漁獲量」である斜里町をはじめとする道東地域に調査に行きました。経済学科では、9月に
大國ゼミの3年生が標津町へ、日本遺産である『「鮭の聖地」の物語』に関する調査を行っていますが、実はこの産業調査演習に登録している学生の半数近くは大國ゼミ!「でも、斜里町のほうには行ったことないんですよねえ~」「ゼミは住民生活、社会形態の変化が中心でしたが、この産業調査演習は「経済」「産業」が中心。違った視点で道東地域を見れることを期待しています!」などの発言が。大國ゼミ以外の学生たちにとっても、入学式から続く「コロナ禍」の学年として宿泊を伴う遠征は初めて。事前調査にも熱が入ります。
調査を重ね、サケの雌雄が判別できるほどに!
その熱が伝わったのか、斜里町役場産業部水産林務課の森課長とのヒアリングでは、質疑応答も活発に行われ「よい視点の質問ですね」と言っていただきました。
残念ながら次の日のウトロ港での水揚げは時化のため休漁になりましたが、森課長から斜里漁協にご連絡いただき、ご厚意で急遽見学させていただくことになりました。
近くでみるサケ漁。漁師さんの整然とした働きを見ながら斜里漁協の前川総務部次長の解説に、学生たちは寒さを忘れて聞き入っていました。
その後は、オンネベツ川、ウトロ港、知床五湖などを経由して、サーモン科学館へ。西尾副館長から「ラッキーですね。遡上したサケを捕獲する作業をしていますよ」と案内され、増殖事業の様子が見学できました。その後は、科学館の中でサケの生態についてのレクチャーを受け、学生たちは水槽の中にいるサケの雌雄が判別できるほどに!標津町をはじめとする、道東地方のサケとの関わりを展示物を見ながら学びます。
知床観光を考える
最終日には、知床斜里観光協会の新村氏より、知床の観光について貴重なお話を聞くことができました。事故のあと、地域がどのように信頼を得るために取り組んできたのか、画面や紙面ごしにみるよりも学生たちに伝わったのではないでしょうか。
工夫に満ちた水族館へ
そして、実習の最後は「北の大地の水族館」に。小さいながらも、「魅せる」展示で工夫された水族館です。「こういう展示方法は面白いね」と疲れも見せず学生たちは見入っていました。ちょうど道の駅の大きな「からくり時計」が3時をつげて、仕掛けを堪能したのち帰途につきました。
充実の調査を経て、次は報告書作成!
今回引率した教員たちも、学生たちの意欲と成長には、感心することしきりでした。戻ってきたあとに「サケ産業にますます興味がわいた」「地域で働く人たちの現場が見れて、自分のキャリア選択にとても参考になった」「道東地方にプライベートでも行きたいと思った」「楽しかった!またこういう機会があれば是非行きたい!」などの感想が。学生たちは1年間を通じた学びから、報告書を作成していきます。
- 発行日: 2022.11.28
- 経済経営学部経済学科