取締役会長 土屋 公三 様を招いて経済学部講演会を実施しました
経済学部では,外部から講師を招いて年に1回から3回の経済学部講演会を開催しております.
第3回目の経済学部講演会を,2014年1月10日(金)の1講時(9時10分から10時40分)に,北海道の大手住宅メーカーを擁する土屋ホールディングスの取締役会長 土屋 公三 様を招いて開催しました.
土屋 会長には,講演の題目を「地場企業の活性化のために」として,起業のきっかけ,会社を維持することの秘訣,さらには,一人の社会人としての幸福哲学などのについてお話しして頂きました.土屋 会長は「マズローの欲求5段階説」をベースに話しを展開されていました.一部上場の会社に入社し,労働組合委員長としての経験から,会社存続のためには,社員が大切であるという世界観を抱き,一般社員の気持ちに寄り添った会社経営が第一であると確信しました.また,自ら起業した会社が販売した住宅の腐食菌クレームなどから,その会社の廃業を決意し,思い出づくりのために北欧を旅行しました.
そこで偶然出会った北欧住宅からアイディアを得て,断熱材を豊富に使用し,機密性を高め,腐食しない省エネ住宅を使命(社会的使命)として供給すると,その住宅が北海道内でヒットし,道内の不動産・住宅会社に中で初の一部上場会社までに建設会社を成長させることになった.起業のきっかけは天命と云われるが,激変する平成不況下で,多くの道内の同業他社が廃業に追い込まれる中で,30年以上も会社を存続させ成長させることができたのは,多分,社員のために,世の中の人のためにという使命感に支えられ,自分だけではなく多くの仲間(研究者,税理士,弁護士など)との協力によって,会社を成長させてきたことによるのではないか,と聞き入っていました.
土屋会長は,受講学生に「今だけ,金だけ,自分だけ」ではなく,近江商人の「三方よし」(客,会社,社会の三方よし)の精神が大切であることを強調されていました.さらに,学生には,どの業種を選んでも,30年後にどうなるか分からないので,自分づくりが大切であると力説されました.「会社が駄目でも,個人としての幸せ」を追求することの必要性を説かれていました.これから就職戦線に出ていこうとする学生も,自分のゴールを見据えた就職活動の大切さを今回の講演から心に刻んだのではないかと思っています.