昨年度に引き続き,十勝管内の音更町を対象地域にして「音更町における食と農をつなげた地域経済の活性化戦略」というテーマで産業調査演習を行いました.
経済学部の開講科目である「産業調査演習」は,1996年度より経済学部の実習科目として開設されています.本科目のねらいは,特定地域の産業を調査し,地域経済が直面する課題を発見し,解決への方向性を見出すことにあります.調査結果を報告書にまとめることが最終目標としていますが,現場主義に徹底して,地域で働くとはどういうことなのか,地域の経済の基盤とは何かを,学生たち自身に五感を通じて体験してもらいたいという意図も込められています.
今年度は,昨年度に引き続き,十勝管内の音更町を対象地域にして「音更町における食と農をつなげた地域経済の活性化戦略」というテーマで産業調査演習を行いました.昨年度は,地域農業の基幹作物である畑作4品目を中心に生産者に聞取り調査を実施し,音更町の農業のポテンシャルを確認することができました.本年度は食と農をめぐる生産・流通・消費の枠組みのうち,流通に焦点を当てて調査を実施しました.具体的には,食品加工企業(豆腐・ナタネ油・豆加工企業)にヒアリング調査を行い,音更町役場を母体に推進しようとしている地産地消の可能性を,地元の農産物の利用状況,地元の農業に対する評価といった観点から把握しようとしました.
今回の本調査は,7月16日~19日の3泊4日で行いました.今年は,フィールドワークだけでなく,鎮錬地区の生産者の方々と交流会を実施するなど,学生たちにとっては学内では経験できない貴重な機会を与えて頂きました.今回も町役場をはじめとする現地の方々のご協力もあって無事に日程を終えることができました.今後は,調査で得られたデータをもとに報告書の作成,12月に釧路公立大学で実施される学生発表会にむけて準備を進めていく予定です.