経済学科

【経済学科】経済学部公開講座の様子をお伝えします

2017.10.27

お知らせ
経済学部公開講座の様子をお伝えします
今年も経済学部公開講座を9月から行っています。今年のテーマは
「北海道における1次産業の現状と課題」 です。

この講座は道民カレッジやえべつ市民カレッジの受講者を含む一般の方が40名と学生が40名程度受講しています。毎回講演者が興味深いご講演をしていただき、講演後も質問するなど大変活気のある講座を開催しています。始まってから早いもので5回が経過しました。今までのご講演の様子をダイジェストでお伝えします。

第1回目はコーディネーターである本学経済学部教授の山田智哉が「統計でみる北海道の1次産業」というタイトルで講演しました。講演では、北海道における一次産業に対して自由貿易による影響、就業者の高齢化、高付加価値化についての解説があり、今後の講演でどのようなことを明らかにしようとしたいのかを説明しました。
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第2回目は帯広市川西農業協同組合 青果部長の常田 馨 様から「十勝川西長いもの挑戦~一貫した品質管理が海外市場で通用するブランド力をつくる」というタイトルでご講演していただきました。JA川西は、畑作が盛んな十勝地域の中でもブランド力を作って海外輸出するといった取り組みをしている農協です。日本では規格外として安値で扱われる長いもに対して薬膳として需要の高い台湾やアメリカなどへの輸出を行っています。農家の所得を増やすように農協が努力されていることやオートフォーメーション化を進めることによりコストを下げて農家に還元するなどの農協の取り組みを紹介されました。さらに、SQF認証などを取得して中国などの他国と戦える農業を目指しているとのお話を聞くことができました。学生からは農家を支えるための農協の役割が理解できたといった声がありました。

第3回目は北海道農業公社 理事長の竹林 孝 様から「北海道の未来を拓く農業の可能性( その現状と将来方向)」というタイトルで講演していただきました。北海道における農業について成熟先進国型農業と位置づけた上で現状について詳しく解説いただきました。その上で北海道米をどのようにおいしいお米に成長させていったかといった実例を道政の役割とともに話され、今後の農業に可能性があることを示唆していただきました。しかしその半面で、担い手不足といった深刻な問題にも農業は直面していてその育成と確保をどのようにしていくべきなのか実例を紹介しながらご説明いただきました。学生からは農業の未来は必ずしも暗いわけではないことに気づかされたという声がありました。
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第4回目は浜中町農業協同組合 代表理事会長の石橋 榮紀 様から「JA浜中町の地域農業振興への取り組み ~地域に根差す中小企業として~」というタイトルで講演していただきました。浜中町で生産される生乳は日本で唯一ハーゲンダッツアイスクリームの原料となっています。浜中町の生乳が選ばれたのは、徹底した品質管理による高品質生乳の生産が可能だからです。それを可能にする酪農技術センターを農協としては全国初で設立しました。このような設立の経緯や裏話など大変面白く話されていました。さらに、新規就農者の受け入れ、地元企業との連携、エコ牛乳の生産など他の地域よりも先駆けた取り組みを行っていることをご紹介いただきました。学生は石橋様が話されていた「だめもとでもやってみよう」というお言葉に、自分の置かれている状況と重ね合わせて心に残ったようです。

第5回目はホクレン農業協同組合連合会 農業総合研究所特任技監の仁平 恒夫 様から「北海道の稲作・水田農業の現状と課題」というタイトルで講演していただきました。はじめに、空知・上川地域で盛んな稲作における米の品質向上について、産・官・学が一体となって取り組んできたことについて解説されました。その後、北海道農業の中でも深刻となっている担い手の状況について問題を提起し、大規模経営の事例や農業の法人化の事例を通して、現状が明らかになりました。ご講演の中では、大規模化するといっても今の方法では規模の上限があり、作業を見直すことが必要であることが指摘されました。そのため水稲直播栽培やGPS等を用いたスマート農業技術の導入など様々な試みを行っていることがわかりました。学生は農業の効率化によって作業を減らす必要性が感じとられたたようです。
経済学部公開講座の様子をお伝えします
このように、毎回面白く教養が広げられる講演をしていただいています。今後は農業だけでなく漁業、林業食品製造業など幅広い分野の講演を予定していますので、ご関心のある方はぜひ受講してください。
  • 発行日: 2017.10.27